容量無制限に利用できるOneDrive for Businessに魅力を感じる反面、運用に本当に乗せれるんかいなぁといういう不安もあり、少しいじってみました。 エクスプローラーで開いての使い方が、一番ファイルサーバー代わりにしっくりきますが、気が付きにくいアイテム数5000個上限の罠があり、注意が必要です。
結論
これにハマりました
ファイルやフォルダーを含めた、サイト ライブラリでのリスト ビューのしきい値 サイトのドキュメント ライブラリまたはリストでは、最大 5,000 個のアイテムを表示できます。 最新情報
フォルダー内に「5000以上」のアイテムを格納すると、問題が発生します。 ※アイテムは、ファイルだけでなくとサブフォルダーもカウントされます。 「5000以上」のアイテムを格納したフォルダーは、アクセスができない状態となりました。 問題が起きたフォルダー配下にあるサブフォルダーにもアクセスできません。 ただし、データが消失するようなことはありませんでした。手動での復旧に手間取るというのが痛いところですが・・・ フォルダーへ5001個目のファイルを書き込むときに、何か警告でも出るといいのですが、そのようなことはなく書き込めてしまうことが、この問題の根深いところですね。 ちなみに、リボンから「ライブラリーの設定」をクリックしたときの画面で、アイテム数が3000を超えると、以下の警告がでます。 これは、そのドキュメントライブラリー内の総アイテム数合計を示しており、期待している警告とは、ちと違います。
問題の解決手順
5000個を超えたアイテムを格納し、異常となっているフォルダーも、Webブラウザーからアクセスすれば、ファイルをごみ箱に移動させる操作を簡単にできます。 1) Webブラウザーで当該フォルダーへアクセスし、一時的にファイル削除します。 削除したファイルは、「ごみ箱」に移動されますが、後から復元できます 2) 一旦、アイテム数が5000以下の状態にすれば、そのフォルダー内へ正常にアクセスできる状態に戻ります。 リボンの「エクスプローラーで開く」等 を使い、さらにファイルを移動させ、十分にアイテム数を減らします。 3) 最後に、ごみ箱より一時的に削除していたファイルを選択し、「元の場所へ戻し」を実行します。
参考情報
OneDrive for Businessとは
OneDrive for Businessは、マイクロソフト Office 365で提供されるサービスの一つで、ファイル共有スペースです。 名前は似ていますが、一般消費者向けに提供されている「OneDrive」とは、まったく異なります。 中の仕組みとしては、SharePoint Online の ドキュメントライブラリーになっています。 つまり、バックエンドはSQL Serverであり、その点も考慮して使い道を選んだ方がよいと思います
特徴的なメリットと制限
- Office 365 E3以上のライセンスを保有しているユーザーの場合は、最大容量が無制限となります。 (ただし、初期状態ではユーザー当り上限5TBの制限が掛けられているため、ヘルプデスクへ申し出を行い、制限解除をして貰う必要あり) 最新情報
- 1ファイルは、10GB以下
- パス長は、約250文字以下
- 格納できないファイル拡張子あり(ASP.net等で、実行形式と認識されるもの)参考
- ファイルの命名で、使用できない文字 参考
アクセス方法
実際にファイルを格納する場合には、大きく3つの方法があります。 1) Office 365 へログインして、Webブラウザーから利用します。 この場合は、Office Onlineを利用して、ファイルを開き、編集することもできます。 2) エクスプローラーで開いて利用します。 具体的な手順は、こちらのページが詳しいので、ご参照ください。 ドライブ文字を割り当てして利用することもできます。 3) 専用の同期クライアントソフトをPCへ導入し、PCのフォルダーと同期して利用します。
テスト内容
今回、人為的に5000個以上のアイテムが格納された状態を作ってみて、OneDrive for Businessの動きを確認してみました。
テストの前提
Office 365 E3 のライセンス付与したユーザーのOneDrive for Businessを使用して、以下のフォルダー構成を作りすべてのフォルダーに5000個のアイテムが格納された状態にしました。
OneDriveルートフォルダー ├フォルダーA (4999個のファイル) │ └ サブフォルダX(5000個のファイル) ├フォルダーB (4999個のファイル) │ └ サブフォルダY(5000個のファイル) └フォルダーC (5000個のファイル)
といった具合です。
フォルダーAへ、ファイルを1個追加する
フォルダーA へ、アクセス
アクセス方法 | Webブラウザー | エクスプローラー |
---|---|---|
結果 | 追加したファイルは見えないが、既存ファイルは見える | 全てのファイルが表示されない |
フォルダーB へ、アクセス
アクセス方法 | Webブラウザー | エクスプローラー |
---|---|---|
結果 | 正常(全てのファイルが表示される) | 同左 |
当然のことながら、サブフォルダーY、フォルダーCへのアクセスも正常に行えます
Webブラウザーを使い、フォルダーAから、先ほど追加したものとは別のファイルを1個削除
アクセス方法 | Webブラウザー | エクスプローラー |
---|---|---|
状況 | サブフォルダーXや既存ファイルを含めてすべて復旧 | 同左 |
注意) この記事は2016年5月上旬時点の情報です。今後、異なる動作をするようになる可能性もあるかも知れません。 個人的なテスト結果なので、ご容赦くださいm( )m